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某所連載中の二次小説に対する、腐女子な愛を叫ぶ場所
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妄想話その2。
腐女子妄想あり!のため要注意18
そっち方面が匂うだけでも嫌な人は回れ右ー!
第38話の真ん中辺りに数行だけ書かれていた辺りの、どうなってたのかな~という一場面妄想から、かなりどーでも良い中年のちょっと勘違い入ってるのろけ話(笑)。
ていうか、美味しいところはもっと描写して欲しいのに!と悶えた部分。美味しいのは私だけか……orz
ついでに原作からの『妄想しろ!』という挑戦は受けた!とばかりに元祖不良中年リューネブルクを考えてみようと思い立つ。
思考トレースしてみればちょっとは解るかなーと思いつつ書き散らしてみたけど、やっぱり良くわからない、という結論に達しました。無念。
ていうか、中年は思考がねちっこいな!(笑)クセでうっかり冗長になる文章はどうにかしないと……構成ってどうやるんだっけ?無駄に長すぎです。すみません。






黒髪の小柄な美少年を、赤毛の長身美人が景気よく叱り飛ばしている。
なかなか目に楽しい光景では、ある。
もっとも、少年――年齢的には青年と呼ぶ方がいいのだろうが、どうにも小柄なために未だ子供のような印象を受ける――が発熱のため、今にも倒れそうである、という事実を考えなければ、だが。
しかも、叱っている方が中尉で、叱られている方が准将という立派な軍人であることも本当は問題だろう。両人ともまったく気にしていないように思えるが。
大体、階級だけで言えば傍観しているだけの自身が一番高い、というのも何だかおかしな話だ。
逆亡命者に亡命者に生粋の帝国人。
こちらをちらちらと気にしている同盟の兵士も入れれば、何とも混沌とした空間だ。
あとはフェザーンの商人でもいれば、完璧というところか?
それが分かっているのか連絡艇を操縦する同盟の連中も、気まずそうな顔をしている。
さっさとこんな任務を終えて艦隊に帰りたい、というところだろう。
「第一あんなところで、あんな風に喧嘩を売って!戻れなくなったらどうする心算だったんです?!」
一歩詰め寄った中尉の強い言葉に、准将は困ったように首をかしげた。
「いえ、彼らもさすがに其処まで愚かでは無いでしょうし……第一、喧嘩を売った覚えなんて無いですよ」
堪え切れずに噴出すと、二人の視線がこちらを向いた。
「……なんですか、リューネブルク少将」
ちょっと不満そうな中尉が睨んでくるが、美人が怒っても美人が増すだけで、それもまた笑いを誘発する原因にしかならない。
それでも何とか鍛えた腹筋を総動員して、笑いを押さえる。
「いや、フィッツシモンズ中尉は勘違いしているようだな、と」
「どういう意味ですか?」
「准将は売った訳じゃなく、売られた喧嘩を最高値で買い、ついでに綺麗にラッピングしてお返ししただけのことだろう?」
絶句する中尉と不本意そうな顔をした准将に、再び笑いを誘われて、今度は遠慮なく爆笑することにした。




『まったく、男共ときたら!』
そうぷりぷり怒りながらも、准将のために水とタオルを取りに中尉が出て行ってしまうと、とたんに沈黙が訪れた。
シュワルツ・ティーゲルに乗ったとたん、俺達は丁重に船室に押し込まれた。
普段は使われないのか、将官用としてそこそこの広さはあるが、無骨で飾り気も無く殺風景だ。まあ長くいるわけでは無いので、艦長の嗜好などどうでも良い。
これははたして准将の顔色を見て少しでも休め、ということなのか。単に艦橋に上位者がいるのが邪魔なだけか。
どちらもありうるな、と橙色の髪の艦長を思い出す。
ずいぶんと素直で真っ直ぐな気性のようだった。……女性の姿を戦艦の中で見たくない、というのが一番の理由かも知れんな。
あんな視線の中で、これからも生きていくことを選んだ中尉は、随分と良い女だ。
覚悟も度胸も、何より深い情がある。
これで、あのシェーンコップの若造と親しい仲で無かったなら、口説いてもよかったのだが。
会見の場を思い出して考えていると、隣のソファから苦しげな息が漏れた。
見遣れば、只でさえ蒼かった准将の顔はすでに白に近くなっている。
「横になりますか?」
「いえ、戻ったら報告に上がらねばなりません。実のところ、寝てしまったら起き上がる自信が無いのですよ」
穏やかな笑みは何時も通りだが、さすがに息は苦しそうだ。
「それならせめて襟を緩めて、目を閉じていた方がいいでしょう……中尉が戻ってきたら、またお説教が続くでしょうしな」
「……まだ、続きますか」
「きっと」
女性の怒りを甘く見てはいけない。
准将は小さく呻いて素直に目を閉じ、体から力を抜いた。
寝息に落ちてはいないが、緊張はない。その程度にはこちらを信用してくれている、ということか。
見られていないのを良い事に、しげしげとその白い容貌をながめる。
端整で線が細い女顔。女性達の中に在っても、違和感は無いだろう。
あの特徴的で靭い目の光が無ければ、本当に子供のようだ。
『元帥のお気に入り』と揶揄されるのも分かる。
平民出身でありながら、異例の速さで准将という地位までのし上がったのだ。其処には何らかの贔屓がある、と思いたくなるのは仕方がない。
上位の者たちはさすがに元帥に配慮してあからさまなことは言わないが、下の者達は明け透けに噂をする。つまり、『上手いこと銜え込んだ』『士官学校で教わったのは男を篭絡する手管だ』と。
俺としても、正直グリンメルスハウゼン艦隊に彼が来た時にはそう思っていた。
厄介者の老司令官、ろくに連携も出来ない艦隊。ミュッケンベルガーも解っているだろうからきっと前に出されることは無い。
お気に入りの小姓に『参謀長』という箔を付けるにはうってつけだろう、と。

それにまず「おや?」と思ったのは、艦橋のクルーからもしばしば軽く扱われがちなグリンメルスハウゼンと、非常に丁寧な態度で相対しているのを見たときだ。
お気に入りを笠にきて、傲慢な態度をとるようなヤツでは無いらしい、と見方を少し改めた。
それからの彼は非常にまじめに仕事をした。むしろ彼しかしていなかった、とすら言っていい。あんな駄目なやつらの吹き溜まりを、曲がりなりにも行進させられる程度には整えた。たいした手腕といって良い。
なるほど、元帥は容姿だけじゃなくて能力もお気に入りなのか、と納得した。

しかし才幹ある将官の意見を退けた時には首を傾げた。
有能ではあっても所詮はお小姓。華やかな美貌の相手に、元帥お気に入りの地位を追われたくないのだろうか、とすら思った。
目障りなものは潰す、いたって普通の行動だ。だが少し失望感を覚えてしまった自分に苦笑したものだ。
それも長くは続かなかったが。
なるほど、元帥の近くに居るという事は嘘では無いだろう。よくその考えを読み取っている。
だがそれに従うのではなく、それすら手玉に取るような策を選んで勝つとは。
平然と元帥の横っ面をはたいて、でも勝たせてしまうからぐうの音も言わせない、なんて不敵な真似が只の小姓にできるか?
あのヴァンフリートで、俺達を死なせないために力を貸してくれるか?
元帥すらもこちらの思惑に乗せてしまう事に、平然としていられるか?
生き残ることが勝つこと。それもなるべく多く確実に。そのためにはあらゆる物を使う。
その思考はむしろ、血腥く地上を這いずり白兵戦を行う部隊にこそ、似つかわしい。
あんなお綺麗そうな子供が。

面白い。
どのくらい振りだろう、心の底から笑いの衝動が湧き上がる。
鬱屈した心がこんなにも晴れたのは、初めてかもしれない。
おとなしい子猫の振りをして、その実態は得体の知れない猛獣だ。
俺だとて、幾つもの血でこの手を染めている。血で狂った獣だ。
敵も味方もない。かつて味方だった者達をこの手にかけても、さほどの心の痛みは感じない。それだけ狂っていなければ、あの戦場で人の体など壊していられない。
同盟で隊長と慕われるたびに、年若い隊員を死なせていく度に、蔑む視線をこちらに向ける上層部と顔を合わせる度に、中に棲む獣は確実に狂っていった。
すべてから逃れたかった。
だが、それは帝国に来てからだとて同じだった。
俺はゆっくり狂って壊れていく。
それも良い、と思い始めていたときだったのだ。
俺に意地で殺し合うな、といってくれる人間がいた。
殺すしか能の無い男に『殺すな』とは何とも馬鹿な話ではある。
……中尉をあの基地からうっかり連れてきてしまったのも、このおひとよしの准将が頭に浮かんだからかもしれない。
同盟も帝国も、俺の居場所は無い。だが、そのどれでもない場所を、この可愛らしい外見で擬態を続ける男が、俺にくれるかもしれない。自分ではどうにも出来ない狂った獣に手綱を付けて、巧く飼いならしてくれるかもしれない。
ずっと年下の、こんな子供に賭ける博打。
―――― だが勝率は、悪くない。


「……さっきから、なんですか?」
「何がです?」
ふと気がつくと、准将が薄目を開いてこちらを見ていた。
「人の顔を見て笑っています」
「おや、これは失礼した。思い出し笑いというヤツですよ」
嘘ではない。だが准将は先ほどまでの状況を思い出したのか眉根を寄せた。
「少しは助けてくださってもいいでしょう?」
「小官は無駄な戦闘に力は使いません。勝てる見込みが無いとなればなおさらです」
反論する元気は無いのか、准将は黙り込んだ。
上官なのだから、一言中尉に『命令』すればそれで事足りるのに、それをしない。
冷静で冷徹で辛辣で……甘い。
きっと、それは周りを酔わせ、狂わせて行く。
それを見たい。
狂乱する奴等を近くで、自身も酔いながら見る様は、なんと昏い悦びだろう。
まあ、本人に何処まで自覚があるかは謎だが。
沈黙を押しのけるように、ドアが開く音と、軽い足音が小走りに近寄ってくる。
「准将、お水をお持ちしました。……ああ、もうホントに如何してこんなになってまで無理するの!」
手と一緒に口も忙しなく動かしながら、中尉が世話をやく。
助けを求めるような准将の視線を見ない振りをしながら、今は少し距離をとる。

そう、今は未だ、早い。
けれどいつか、もっと近づく時を思い描きながら――

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無題
>『上手いこと銜え込んだ』
>『士官学校で教わったのは男を篭絡する手管だ』

銀英伝の世界にマッチするかどうかは置いておくとして、現実的にはありえる事態ですよね……
女っ気が欠片も見当たらない帝国軍でしかも前線勤務とかになったら数ヶ月ご無沙汰とかザラでしょうし。
どれだけ同性愛禁止とか言っても陰じゃそういう事態は必ず起きるでしょう。上もそれは分かるでしょうから見て見ぬ振りって所ですか。
ただしエーリッヒはそんな事態に陥ろうものなら全力で抵抗し相手を肉体的にも精神的にもフルボッコにしそうな気がしますがwww

しかし元祖不良中年のネッチリ語りは良きものですなぁ……
寧ろこれ位が丁度良いと思いますよーあんまりあっさりしていると心情が伝わって来ないので。


そうそう、後90話の感想文に絡んでですが(一緒に書いてスミマセン……)
>奥さんに捕まって寒い夫婦生活に心をすり減らすのと、甘党閣下に捕まっちゃうのと、どっちの方が性質が悪いだろうね!とは思うデスヨ。
エーリッヒに捕まる方が性質は悪いでしょうが、当人は今の人生の方が楽しそうなので、物凄く楽しそうなので! これで良いと思います。
とっても大事な事なので私も2度書かせて頂きました(笑)

あんまり書くと熱暴走するので(ヲイ)本日はこれにて失礼をば!
更夜 2010/11/22(Mon)01:02:20 編集
Re:無題
>銀英伝の世界にマッチするかどうかは置いておくとして……

Σ(・△・;)…………小説では書かれてないけど、普通に人間の世界の延長である設定だから、ここでも当然だと思ってました。あるぇ~?わたし腐りすぎてる……
そもそも「お気に入り」って好意的な表現では無いですよね。
侮りや嘲りを含んでいると解釈してたんで。これがそのうちいろんな事件を経て元帥の「腹心」と称されるに至るんだと思います。
ま、だからって馬鹿なことをしてくる相手には、報復はきっちりやってるでしょう(笑)

>しかし元祖不良中年のネッチリ語りは良きものですなぁ……

いいのか!(笑)と突っ込みたくなりました。
本当に、彼には新たな楽しい人生を送ってほしいものですね。
作者様の手腕にワクテカしつつ期待です!
【2010/11/23 12:12 つくも】
いえいえ
原作者の田中御大がそういう事を想定してないんじゃとの私予測も多少入っております(現実より御大の脳内重視という事で)
御大の年齢を考えると、ねぇ(苦笑)
現実にはある事でもご自分の性別と価値観からそっち方面は忌避するのではと思った次第です。
後、新たなる~に関しては作者さんも感想へのレスでそっち方面の噂はエーリッヒには無いと言及されていたので(どなたへのレスかは忘れてしまいましたが)そこら辺も踏まえてです。
更夜 2010/11/23(Tue)16:36:44 編集
Re:ああ!
原作者様のお年……うわぁ。
あの時代では自身の作品でそういうことを匂わせるなんてしないでしょう。
現実は知ってても、作品世界に反映させるかは作者の胸先三寸ですものね。

感想レスまではさすがに見落としてました。ありがとうございます。
うーん、うーん……こまった。
でもまあ、ここは腐女子の妄想なので!(開き直り)
改訂は諦めてこのまま逝かせて貰います………orz
【2010/11/23 18:44 つくも】
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いつもかなり隅っこの茨の中を1人で爆走します。
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