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某所連載中の二次小説に対する、腐女子な愛を叫ぶ場所
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あったかもしれない、一場面。
なんちゃってオトメ妄想炸裂中。





「エーリッヒ、起きてる?」
軽い足音ともに、柔らかな声が近づいてくる。
「うん。どうしたの、母さん」
何時もよりも早い帰宅に、ベッドから体を起こして首をかしげた。
輝く金髪に白い肌、慈愛を湛える青い瞳。美人というよりは、どこかまだあどけなさを残した可愛らしい女性だ。
いまだにこのヒトが自身の母親だと言うことに慣れない。
自身の親だと認識できるのか、と危ぶんだことすらあった。
けれど、注がれ続ける無償の愛情に、さすがにそんな拘りなど持ち続けることもできず。
今はこのヒトの、この人たちの家族として、ただ幸せに在りたい、と思う。
その為にできる事はしたいのだけれど、どうにも虚弱なこの体は無理がきかない。もどかしい事だ。
実際、今日も軽い熱を出して小学校を休んでいた。
慣れた事だから、と両親をいつも通り仕事に追い出したのだけれど……どうしたのだろう?
「熱はどう?」
「もう大分下がったよ」
白く、細い指先がそっと額をたどる。
そのくすぐったい感触に、しらず顔が綻ぶ。
「朝よりは顔色も良いわね。ちゃんとイイ子で寝てたのね」
「あたりまえだよ。……心配して仕事を抜けてきたの?」
迷惑をまたかけてしまっただろうかと心配すれば、母さんはにこりと笑う。
「違うわ。貴方が待っていてくれて、「お帰り」って言ってくれるのねって思ったら、つい仕事が速く終わっちゃってたの。コンラートが悔しそうだったわー」
いつもは私が言う言葉ですからね、と本当に幸せそうに笑うから。
「……おかえり、母さん」
「ただいま、愛しい私のエーリッヒ」
柔らかくて暖かい体にすがり付く。

もう冷えないように。この腕から零れ落ちないように――



「……か……閣下、起きて下さい」
そっと体が揺さぶられる。
綺麗な女性の声と柔らかな手。ありえないはずなのに、それがまるで母さんの手だと一瞬錯覚した。
頭は覚醒したが、体はまだ動かない。冷たく硬い感触が体の下にある。うっかり執務机で転寝してしまったのか。
いかんな、このままだとまた体調を崩す。
兵站統括部の頃と違って、今は早々休むわけにはいかないのだ。
そう思うのに、体がまだ夢の余韻を追いかけている。
小さく溜め息が聞こえた。
副官であるヴァレリーが少し部屋を離れたときに、気が抜けて眠ってしまったのだろう。
こちらに付き合って、かなり遅くまで残らせてしまった。今度飯でも奢らないと、いい加減愛想を付かされそうだ。
「まったく、この子は。兵站から来てる子の席にひざ掛けがあったかしら……あとでリューネブルクでも呼び出して抱えさせればいいとして。やっぱり仮眠室は必要ね。改装の指示に追加しておかなきゃ」
…………いや、さすがに家に帰って寝たいんだが。
足早に去っていくヴァレリーに突っ込みたかったが、意識は再びまどろみに漂い始める。
ほんの少し肩に残った温もりに、泣きそうな気分になりながら。

あの頃とは違う。
今度こそ俺は守れるだろうか。奪われないですむだろうか。
否。
もう、奪わせはしない。
神など信じない。
だが、俺をこの世界に来させた、悪魔にならば―――

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