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某所連載中の二次小説に対する、腐女子な愛を叫ぶ場所
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時間的には第50話あたり?にあったかなかったかと思った一場面。
シューマッハ中佐とエーレンベルク爺ちゃんの妄想。……妄想というか捏造はいり過ぎてて別人。
あんたたち、難しい!頭の良い人たちってどう会話するんでしょう?
巧く表現できないのはデフォとして、華も色気も無い、と言うかどうしてこの組み合わせ(笑)。誰得?
なお、あくまで妄想なので、こんな設定は何処にもありません。あしからず。






「シューマッハ中佐、どうだった、彼は?」
「……そうですね、有能です。乱に治をもたらす……いえ、乱が起こる前にその芽を摘み取る稀有な人材だと言えるでしょう。少々悪ふざけも好むようですが」
報告に訪れたエーレンベルク軍務尚書に、慎重に答える。
人払いされているとは言え、軍務省の執務室だ。何処に眼や耳があることか。
ましてや、この人相手に早々隙を見せることも出来ない。
平民の自分をここまで引き立ててくれた恩はある。
だがそれも使い勝手の良い手駒として手中に置きたいから、という打算ももちろんあるだろう。
同じような手駒は軍の内外に散らばっているだろうし、今回のことに自分が抜擢されたのは『実務面に精通している』と言うのが大きな理由であって、決して私自身の有能さを買っているから、では無い……はずだ。
こちらの態度に、面白そうに軍務尚書の目が細められる。
「卿とは気が合うかと思ったが。不満か?」
「いえ、そうではありません……ただ、とる手段は効果的ですが、余りに自身のことに頓着しなさすぎます。あれでは下の者も周りの者も苦労するかもしれません」
実際、今私が苦労している、と言いたくなった。
皇帝不予が告げられた時、しばらくは衝撃に思考が止まった。
その中でヴァレンシュタイン少将……いや、大将だけが道を指し示し導いた。

あの突然の出来事に動じない胆力と思考の鋭さに圧倒された。
その後の数日間は怒涛の展開が続き、補佐として付いていくのがやっとだった。それも全て、ヴァレンシュタイン大将の手のひらの上の出来事でしかなかったわけだが。
実際、危惧したものからは考えられないほど、帝都は落ち着いているし、貴族達も息を潜めている。
貴族同士では集まって噂話すらすることが出来ないのだ。デジタルよりも噂話の方が早いと言われる宮中であれば尚の事、流言が飛び交う余地を摘まれた。
さらにリューネブルク少将を戦略予備といいながら、南苑と東苑の間に展開させることで、貴族の好奇の目を牽制した。
正式に警備に組み込まれていないとは言え、貧弱な貴族にとっては、陸戦隊の屈強な面々は居るだけでも相当な重圧だ。あれで、皇帝が南苑で臥していると多くの貴族は思っただろう。
警備上も本命の位置を隠す意味はあるが、そのおかげでグリューネワルト伯爵夫人の名前は噂ではちらとも出てこなかった。その立場と身を守ってのことだと言うなら、弟であるミューゼル中将に目を掛けているというのは確かなことなのだろう。
それだけのことを独りで判断し、指示し、実行する。
それも本人にとっては、至極当然の事、という風にだ。
その速さに追いかける部下は本当に大変だ。
「本当に、困った方です」
「あれには上の者も困るが、な」
くっくっ、と低く笑いながら軍務尚書は頷いた。
「だがあの私心の無さが、ミュッケンベルガーをして後継者と思わせたのだ。
自身を捨て他者のために動くからこそ、他のものもあやつの為に動くだろう。
卿と本当に似ているだろう?」
「……小官はそこまで聖人君子ではありません」
自分と、自分についてきてくれる部下の為。せいぜいが其処までだ。
ヴァレンシュタイン大将のように多くの帝国臣民を守る為、自身が冷徹冷酷と謗りを受け、矢面に立つような真似をしてまで動けるとは思わない。
同じように帝都防衛司令部で動いている面々を思い返す。
彼らはヴァレンシュタイン大将を冷血非情な人間であるとは欠片も思っていない。むしろ、その逆だと口をそろえて言う。
兵站部からきた女性士官達などその最たる者だ。
こんなキツイ仕事に借り出されて大変だったな、やはり転属か昇進が希望か?
と問えば「あら、中佐。女は利じゃなく情で動くものなんですよ? 閣下のお役に立てると思えば、それで私達は嬉しいんです」などと笑う。
後方勤務も長くこなしてきたが、女性士官に化粧のテクニックではなく、仕事にやる気を出させる男など始めてだ。それも笑顔と感謝の言葉だけで、だ。
ヴァレンシュタイン大将が発熱で倒れ、リューネブルク少将が軽々と抱き上げて仮眠室へ運んだ後も、異様にやる気がみなぎっていた気がする。姫がどうとか言っていたが、よく意味はわからなかった。
しかし、居ても居なくてもやる気を出させる秘訣はいったいなんだろう……。
「まぁ、それは良い。いまは巧くやれているのだろう?」
「あそこもある意味、生死を掛けた戦場でしたから。否が応でも協力せざるを得なかったでしょう。
始めは少々疑われていたようですが、あの場では閣下の意を受けている以上利害は一致している、と割り切っていたようです」
「まさかブラウンシュバイク公との繋がりを疑われるとは思わんかったな」
思わしげに軍務尚書が顎をなでる。
「ああもはっきりと名指ししたと言うことは、何らかの根拠があったのでしょう。半分以上はこちらを試す為の虚言であったとしても、です」
「内乱に備えて卿にはブラウンシュバイク公側に潜り込んで貰おうと思っていたのだが……やはり考え直すべきか。卿とヴァレンシュタインが面識を得たことで、今回は善しとするべきかも知れんな」
驚きだ。おそらく若手の士官の中で一番評価されているだろうヴァレンシュタイン大将と私を引き合わせることに意味がある、と考えていたとは。
それだけ買っていてくれたのかと思うと、面映い。
だがこの皇帝不予という騒ぎが無ければ、先に潜り込ませた部下達と合流していた頃だ。
正直、あのフレーゲルの下で働くのはいい気はしなかったが、それも仕事となれば仕方が無い。だが、その工作がヴァレンシュタインに気付かれるほどあからさまに漏れているのだとしたら、行動は慎重にすべきだろう。
ただ、ヴァレンシュタインが凡人には及びも付かないほどの慧眼の持ち主なだけかもしれないが。
そうなれば、部下達を引き上げる算段もしなくては。
「小官は閣下のご指示に従います。……ですが、欲を言えば、あのヴァレンシュタイン大将を面前の敵にはしたく無いですね」
「ふむ……まあ、猶予はある。今しばし帝都防衛司令部の方を頼んだぞ」
「はっ」
姿勢を正して敬礼をし、尚書室から出るべく体を返す。
「ああ、シューマッハ中佐」
「は?」
扉に手を掛けた体勢で、とっさに振り返る。
「今回は良くやってくれた。次も期待している」
再び黙って敬礼をすると、軍務尚書は少し不機嫌そうに手を振って退出を促した。
あの閣下も照れるとは、存外可愛いところがあるものだ。
少し浮かれた気持ちで廊下を歩く。
前回、ヴァレンシュタイン大将の人心掌握術は笑顔で「ありがとう」と惜しみなく伝えることだ、と報告したからだろうか。
小さな、けれど大きな変化。
小さな流れがやがて集まって大きなうねりとなる様な予感。
何かが、確実に変わっている、と感じる。
それに巻き込まれていると解っていても、不快ではない。

…………これの源(みなもと)は、きっと、たぶん……






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無題
あぁ!シューマッハさんとヴァレンさんの親密度……いやさ好感度……忘れてましたよ!
ですよねーまだ知り合って間もない人に体を預けるには抵抗がありますよね!
く……見通しが甘かった(笑)

うむ? 艦長時代を書きたいとのお話しは知りませんでした~
舐めるように感想読んだはずなのに……読み落としたか←

小話その4更新お疲れ様ですー
とりあえず私得です、爺様もシューマッハも大好きな私は超勝ち組です! ついでに言うとクレメンツも好きです! この前の小話も美味しく頂いてましたv(笑)
またもや良いモノをありがとう御座いましたー
ありがたやありがたや(拝)

そうそう本編読んでてすんごい気になっている事があるのですが、ルックナー、リンテレン、ルーディッゲ三提督はいつヴァレンさんと知り合ったんでしょうね……?
少なくとも34話慢心直前とかは無いですよねぇ。大して面識も無い人間にいきなり『ミューゼルがちょっとヤバ目だから助けてやってヨロ』とか言われたってその気にはならないだろうし、何かしら交友もしくは借りがあったんだと思うのですが……やっぱり兵站関係かしら?(笑)
更夜 2010/11/27(Sat)23:39:56 編集
Re:無題
>体を預けるには抵抗がありますよね!

あ、なんだか卑猥な香りが……(笑)せいぜい意地で肩を借りるくらいかと。

>うむ? 艦長時代を書きたいとのお話しは知りませんでした~

たしかイゼルローンの後、金髪君の同盟単独任務のころにあわせて、と言っていらっしゃったかと。たぶん……だいぶ前の方に(笑)。そのとき甘党閣下は艦長なので。すっごく萌えるシチュなんですけど!だからと言って書けないこの切なさ……妄想はしてますけどね(笑)

エーレン・シューマッハ・クレメンツも美味しく頂けたなら、何よりでした~。こちらこそありがとうございます。また書こう!と言う妄想の励みになります(笑)。
まだまだ人物像が手探り状態なんで、書き分けがイマイチ……なんですけども。精進します……orz

三提督についてはひゅーげる様の妄想が美味しすぎて、私からは何もいえない!!激しく同意中なのです。もえ、もえる……。
【2010/11/28 03:48 つくも】
出会いを妄想(笑)
>そうそう本編読んでてすんごい気になっている事があるのですが、ルックナー、リンテレン、ルーディッゲ三提督はいつヴァレンさんと知り合ったんでしょうね……?

兵站関係もアリですが、作者様が外伝で書くと宣言されていた、甘党艦長時代。

帝国暦484年 1月
エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中佐、巡航艦ツェルプスト艦長兼第1巡察部隊司令を命じられる。

帝国暦484年10月
エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中佐、大佐へ昇進。

このあたりで関りができたんじゃないかと妄想しています。

なお、私の三提督のイメージは30代初め~半ばあたり。甘党閣下がいない「ミュラー・キスリング・フェルナー」っぽい、士官学校三羽ガラス。
自分たちの才能の限界=分艦隊司令官を悟りつつ、であればこそ自分の力を十全に発揮させてくれる「上司」を探していた。そんな彼らの前に現れたのは「元帥のお気に入り」エーリッヒ・ヴァレンシュタインだった………。

みたいな感じで!
最初、見た目で侮り、実力を知って「さすが元帥のおきにいり」と納得。三人で集まると何となく甘党閣下の話題が必ず出てきて「聞いたか?」「ああ、グリルメルスハウゼン提督の参謀長だ」固有名詞なしで通じ合ってしまう会話(笑)自覚してないけど三人ともたらしこまれてる(爆)

甘党閣下の支持層は年齢に関係なく存在すると思うので、彼らにはぜひとも「佐官~将官」代表として頑張ってほしいです。


ひゅーげる 2010/11/28(Sun)00:26:10 編集
Re:出会い妄想にノックダウン(笑)
>帝国暦484年 1月
>エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中佐、巡航艦ツェルプスト艦長兼第1巡察部隊司令を命じられる。

甘党閣下の艦長時代……作者様によると、金髪君の同盟単独潜入辺りと絡めて~、だったと思うので、ひょっとして潜入する際に囮として同盟側と一戦交えた帝国側の警備部隊が甘党閣下の部隊かな、とかとかとか妄想してみてたんですがどーでしょう?(笑)
この時期に辺境任務で知り合った、というのはありですよね!
10月にどうして昇進してるのかも謎でしたし。きっと何か三羽烏(ステキな命名ですv)と武勲をたてたんだ!とか。
もしくはイゼルローンに寄航した際に、士官食堂辺りでひと揉めあった、とか。
皇帝不予のときはルックナーがシュターデンを気に入らないみたいでしたしね。何があったのか、ニヤニヤものです。他の二人も居たのかな?
と言うか、なんて美味しい設定の妄想を~~~(笑)。
無自覚にあちこちで人誑しまくってると言うことですね。さもありなん。
もう少し彼らの描写が出てくると、妄想の手がかりになるのに!と呻いてしまいます。外伝が待ち遠しい……けど本編がもっと待ち遠しい。
このジレンマでどんどんマゾになっていく気がします(笑)
【2010/11/28 04:08 つくも】
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腐女子よりもすでに貴腐人と呼ばれる程度には、妄想世界に棲息中。
いつもかなり隅っこの茨の中を1人で爆走します。
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