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某所連載中の二次小説に対する、腐女子な愛を叫ぶ場所
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短めですけど、ミュッケン爺ちゃんとステキ執事のシュテファン。
第116話と第118話の間くらいでしょうか。
これから先の活躍を祈願して!(笑)





「そうか、ついに元帥か……」
エーレンベルク元帥から通信を受けた後、旦那様はそう呟きながらソファに身を沈めた。
誰、と指し示されなくとも判る。
この屋敷に訪れる礼儀正しい青年の事だ。
気難しい所もある旦那様が、その来訪を心待ちにしている稀有な相手であり、まるで御自身の息子でも有るかのように気に掛けていらっしゃる相手だ。
かくいう私も、彼のことは気に掛け、力になりたいと思っている。
旦那様と……お嬢様の為に。
「旦那様と同じ階級になられましたね」
「ああ……早いものだな」
穏やかな、けれど何処か深く思い悩む顔で旦那様は目を閉じられた。
今年の初めは、彼は少将だった。
やむをえない結果の一階級降格とは言え、それが9月には元帥。
正直帝国の今までの歴史でもありえない昇進速度だろう。
それどころか、彼は平民だ。
……貴族の反発は、どれだけのものになるだろう。
これは、些細なことでも情報を探っておかねばなるまい。
彼の不幸は、ひいては旦那様とお嬢様の不幸だ。
そんなことは、私の目が黒いうちは許容できない事態です。
誠心誠意を持って旦那様に尽くす、それが私の喜びなのだから。
「あれの行く道には困難ばかりが待ち受けるな……其処に引きずり込んだのは我々だが、恨み言ひとつ言わん」
「ヴァレンシュタイン様は旦那様の事を敬愛し頼りにしておられますよ」
旦那様のお好きなコーヒーを小卓に置く。
少し嬉しそうな顔をなさったのは、果たしてコーヒーの芳香にか、発言に対してか。
「あまり、年寄りをこき使うものではないと思うがな」
「それは私に対する退職の勧めですか?」
旦那様と私はほぼ同年代……私のほうが幾つか年上だ。
ずっと小さい頃は、旦那様のお守り役として身の回りの世話をしてきた。
そして旦那様が当主となられる少し前に、前任の父から引継ぎこの家の正式な執事に就いた。以来、家の様々な雑事は私の仕事となっている。
それにあまり騒がしいのを好まない旦那様のせいで、使用人は最低限だ。
当然、仕事量は多い。
それも楽しんでやっているから良いと言えば良いのだが。
何時までも体が頑健でいられるわけでもなし、本気で後継者を見つけないとまずいか……
「む……そういうつもりでは無い。まだまだシュテファンには現役でいてもらわなくては、この家は立ち行かん」
「光栄です」
お互い目を見交わして笑う。
まあ、この程度の軽いやり取りはいつもの事だ。
「では、ヴァレンシュタイン様にお祝いの品を手配しなければなりませんね」
「アレは祝われたくは無いだろうがな」
「だからこそ、です。この先、明確にお味方であると示すことで、ヴァレンシュタイン様も少しはお気持ちが楽になりましょう」
旦那様も幾ら現役を退いたとは言え、いまだ軍部に対しては隠然とした影響力がある。その旗幟を明らかにすることには意味がある。
もちろん、ヴァレンシュタイン様の敵は旦那様をも敵と見做すことだろう。
だが、手出しはさせない。
……私は、あくまでミュッケンベルガー家の執事なのだから。


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